2019年03月08日

【演奏会情報】Concert VIVACE in 札幌

《「ヤマハ音楽院 ヤマハマスタークラス ピアノ演奏研究コース」は、ヤマハ音楽教室で学び、特にピアノの演奏に情熱を持ち優れた資質や能力に恵まれた生徒のために、より高度な演奏力・表現力・幅広い音楽力の習得を目指して開設されました。
国内外の第一線で活躍する著名音楽家によるレッスンなど、ハイレベルなカリキュラムによる指導が行われています。
「Concert VIVACE」はピアノ演奏研究コース在籍生によるコンサートです。
若き演奏家たちの精一杯の演奏を、どうぞお楽しみください。》

私は講師演奏で、J.S.バッハの作品を演奏致します。
お近くの方がいらっしゃいましたら、是非お立ち寄りいただければ嬉しく存じます。
吉永哲道


〈日時〉
2018年4月1日(月) 14時30分開演(14時開場)
〈会場〉
六花亭札幌本店6階 ふきのとうホール
〈曲目〉
D.スカルラッティ、J.ハイドン、F.ショパン、H.カスキ、S.プロコフィエフ、A.ハチャトゥリヤン、D.カバレフスキー、P.ストヤノフ、篠原真の作品
〈講師演奏〉
吉永哲道(ピアノ)
J.S.バッハ:
インヴェンション BWV772-786(全15曲)
J.S.バッハ=T.ニコラーエヴァ:
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565

〈入場料〉
1,000円(税込/自由席)
〈主催〉
ヤマハ音楽振興会
〈お問合せ〉
ヤマハ音楽院事務局  ヤマハマスタークラス  ピアノ演奏研究コース係
Tel:03-5773-0822

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2019年02月05日

21.私の道標。

誰にも、人との会話や読書等の体験を通して、心に深く刻まれた言葉や話があるだろう。


《三人の男が石を運んでいるところに出くわした人が、その三人に訊ねた。

なぜ貴方は石を運んでいるのですか?

一人目はこう答えた。
命令されたからだよ。運べと言われたからやっているんだ。

二人目はこう答えた。
僕には愛する家族がいるんだ。彼らの為に僕は働いている。これが僕の仕事なんだ。

三人目はこう答えた。
向こうを見て。僕たちは今、教会を建てているんだ。これは僕の信仰なんだ。》


モスクワで留学生活を始めて恐らく2、3年目の頃、同じく音楽院に在学していた先輩の日本人ピアニスト(今も私が尊敬してやまないピアニストのお一人である)から聞いたこのお話は、20年近くの年月を経た今尚鮮明に、私の記憶の引き出しにしまわれている。


音楽とは、広義には人間の生き様の表れだ。

つい目先のことばかりに気を取られあくせくしがちな日々にあって、私はしばしば、“命令されたからか、愛する者の為なのか、自分の信仰によってなのか。人の生き方には、大きく分けてその三つのステージがあるんだよ。これは神父様から聞いたお話だけれど……”と、友人が穏やかな口調で教えてくれたこの話を思い出し、三人の男の返答に例えられた人生のステージについて考える。



自分が、どの人生のステージで生きているのか。

自分は、どの人生のステージで生きるべきなのか。


この自問自答の過程に、音楽に対して常に謙虚である為 ── 人生を正しく歩んでいく為の道標があるからだ。


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2019年01月25日

20.音色の追求。

《私は進むべき絵の道を、色彩によって切り開いてきた》

本の帯に印刷されたこの言葉が目に飛び込んできた時、私は思わずハッとした。


《色彩が豊かなところには人が集まり、生きる喜びが交錯する。多様な色を持つ社会では一人ひとりが個性をきらめかせ、のびのびと生きることができる。そう気がついたのは二十八歳のとき、留学先のイタリアでのことだった。この国の太陽を浴び、地中海の風を吸い込んだ私の絵は、たちまち縦横無尽の色で埋まるようになる。「絹谷さんの絵は生のエネルギーがあふれる人間賛歌だね」と言ってくださる方があるが、私は進むべき絵の道を色彩によって切り開いてきたと言っていい。(中略)
「じゃあ、世の中から色がなくなったらどうなるかな」。私は子供たちに問いかける。
たとえば喪服。愛する人を亡くしたとき、私たちは悲しみに沈むため色を捨てて喪に服す。あるいは宇宙や深海、三〇〇〇メートル超の高山を思い浮かべてみてもいい。色数が極端に少ない、こうした場所で生物が生きていくのは難しい。多様さのないひと色の社会からは活力が失われてしまうのだよ──。
子供たちは我先にパレットを広げ、思い思いの色で画用紙を染めていく。
私は今年(二〇十六年)七十三歳になった。ひたすらに絵を描き、生きてきた。よくぞ生活できたものだと自分でも思う。年を重ねると、人は「わび・さび」に向かいがちだ。しかし、心を干からびさせないように、ますます多くの色に身を浸していたい。》
『絹谷幸二・著/絹谷幸二 自伝』より

音楽にも、全く同様の事が当てはまる。


多彩な音色は、作品そのものに命を与え輝かせる。

色彩の豊かさが、奏者の精神を作品の更なる深みへと至らしめる。

多種多様な音色の世界に身を置く事で、奏者の感性は益々豊かになる……。


音色を求めての試行錯誤は、突き詰めようとすればするほど益々興味深く、終わりなき道となるのだ。

歩めども、歩めども。


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2019年01月17日

【演奏会情報】第5回渡部智也バス・リサイタル 〜グリンカから国民楽派へ〜

今回のプログラムで注目すべきは、グリンカの歌曲集「ペテルブルクの別れ」全曲演奏。
私は、渡部智也さんがこの歌曲集全体の研究におよそ1年を費やし、歌い込んでいく過程を共にしてきましたが、その作品への並々ならぬ想いと情熱は、必ずや優れた歌唱となり会場の皆様に深い感動をもたらすと信じています。
彼の果敢なる挑戦を(私が申し上げるのも生意気ですが)、どうぞお聴き下さい。
お運びいただければ大変嬉しく思います。
吉永哲道


第5回渡部智也バス・リサイタル
〜グリンカから国民楽派へ〜

〈日時〉
2018年2月4日(月) 18時30分開演(18時開場)
〈会場〉
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール
〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)
〈曲目〉
A.ダルゴムィシスキー:
夜のそよ風、私は悲しい、九等官、ボレロ
A.ボロディン:
遠い祖国の岸辺を求めて
M.バラキレフ:
歌うな、美しい人よ、私の前で
M.ムソルグスキー:
神学生
M.グリンカ:
歌曲集「ペテルブルクの別れ」全12曲


(ロシア語歌唱、日本語字幕付き)

〈入場料〉
全席自由 2,000円
〈主催〉
音楽企画「マイスキーヴェーチェル」
〈製作協力〉
認定NPOおんがくの共同作業場
〈チケット取扱い〉
音楽企画「マイスキーヴェーチェル」
e-mail:mv-pro@live.jp
おんがくの共同作業場
http://www.gmaweb.net/npo/
Tel:042-522-3943


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2019年01月15日

19.チェーホフの言葉。

《飲む事を欲し、海の水全てを飲み干さんとする── それが信仰である。
飲もうと思い、コップ2杯だけの水を飲み干す── それが科学である。》


ロシアの作家アントン・チェーホフ(1860〜1904)のこの言葉を、私はモスクワ留学時代にロシア語の先生から教えていただいた。

音楽を生業としている私にとって、このチェーホフの格言は大切な指針になっている。

心で動くのか、知性で動くのか。


是非の問題では、勿論ない。

ただ、理論的思考が時に感覚の妨げになる事、思考が優先した演奏はどこか人工的な印象を与える事を、私は身を持って経験してきた。

「心で仕事をしなさい」
「感情で音楽を理解しなさい」

10代の頃、ゴルノスターエヴァ先生にそう言われた事がある。


心で書かれた音楽は、心でもってのみ理解し得るのだ。


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