2019年01月01日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
平素よりこのブログをご覧いただいておりますことに、先ず心より御礼申し上げます。

2008年の12月末に留学先のモスクワから完全帰国して以来、ちょうど10年の時が経ちました。
私が初めてヴェーラ・ゴルノスターエヴァ先生にお会いしたのは、1990年2月、11歳の時。
ヤマハマスタークラスでのレッスンを経て、更にヴェーラ先生の下で学ぶべくモスクワへ渡ったのが、1998年9月、20歳になる直前のことでした。そして前述の通り、2008年12月、30歳を迎えた直後に日本に完全帰国、演奏及び指導活動を始め、2010年5月、31歳の時に、現在の師である大野眞嗣先生の門を叩くこととなりました。
振り返ってみると、私の人生は、こうしておよそ10年単位で大きな節目を迎えてきているように思います。

「求めよ、さらば与えられん。」
私は信仰を持つ人間ではありません。
ですが、音楽が私に、人生で訪れる広義での様々な“出会い”は、自ら強く望めば必ず与えられるものであることを教えてくれました。
40代に入った新たな10年がどのような時間となるのか。
変化を恐れず、自分がなすべきことをしっかりと見据え精進して参ります。

末筆となりましたが、新年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
吉永哲道


【コンサート情報】
第5回渡部智也バスリサイタル
〜グリンカから国民楽派へ〜
(2回公演)
◆2019年1月25日(金) 14時開演(13時20分開場)
カンマーザールin立川

◆2019年2月4日(月) 18時30分開演(18時開場)
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール

〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈プログラム〉
A.ダルゴムィシスキー:
夜のそよ風、私は悲しい、九等官、ボレロ
A.ボロディン:
遠い祖国の岸辺を求めて
M.バラキレフ:
歌うな、美しい人よ、私の前で
M.ムソルグスキー:
神学生
M.グリンカ:
歌曲集「ペテルブルクの別れ」全12曲

*詳細は、追って掲載致します。

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2018年12月18日

【終了報告】命の歌。

去る11月30日(金)、静岡市は顕光院本堂にて「こんちぇるてっくなお寺の夕べ Vol.3」を開催致しました。今回も多くのお客様がお集まり下さり、盛況の内に終えられました事を、出演者一同嬉しく思っております。改めまして、ご住職の木村文輝様をはじめ演奏会の為にご尽力下さった皆様、また当日お運びいただき温かく耳を傾けて下さった全てのお客様に、心より御礼申し上げます。



《森で生きている間、黙っていた。命を失った今、澄んだ声で歌う。》


これは、ある古いチェロにラテン語で刻まれていた言葉だそうで、演奏会に向けての準備の折に、メゾソプラノの山本彩子さんが教えて下さいました。


伐採され命を失った樹木が、楽器として姿を変え声を得る。

……ふと、ピアノも同じだと思ったのです。

ピアノもまた木が使われている楽器であり、奏者はその命を貰って音楽を奏でているのだと。


顕光院のコンサートで使用したピアノは、前回同様、約100年前にイギリスで製造されたアップライトピアノ。人の寿命に例えれば既に100歳を超えている訳ですから、当然、経年劣化故の演奏上の不都合が色々とあった事も事実です。けれども、鍵盤へのタッチ次第では非常に繊細で、今の楽器にはない良い意味で枯れた、味わいのある響きで応えてくれる。


ピアニストは一般的に自分の楽器を持ち運ばない(持ち運べない!)為、演奏会で楽器を選ぶ事はできません。ですが、逆もまたしかり。ピアノも自らの意思で弾き手を選ぶ事はできません。彼らはただ、弾かれる事を待っているだけなのです。


目の前に100年の歳月を経て尚、歌おうとしている楽器がある。

それならば、私がなすべき事はただ一つ。

その楽器が持っている一番美しい声……《澄んだ声》を引き出す為に、心を尽くす事。


ピアノから生まれる、木々の命の歌。

一心に楽器や音楽と向き合う事ができる自分の人生を、私は幸いに思っています。

またどこかの会場で皆様とお会いできますように。

吉永哲道


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2018年09月18日

【終了御礼】音楽と人生。

去る9月11日、日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホールにて、「〜ロシアピアニズムの響き〜 吉永哲道ピアノリサイタル」を開催致しました。
お運びくださりました皆様に、改めまして心より御礼申し上げます。

「悲しい音楽を演奏するのに、必ずしも演奏者自身が同じような悲劇を体験していなくともよい。同様に、愛について語っている音楽を弾く時、必ずしも同じような愛を知っていなくともよい。なぜなら、私たちは時に、音楽から人生を教わるのだから。」

10代前半の少年だった私に、恩師であるヴェーラ先生がこのようなお話をしてくださった事がありました。
殊に最近、その事を強く想うのです。
感情的になって演奏するのではなく、響きにじっと耳を傾けながら作品と向き合っていると……音楽(作品)が、恐らく私たち誰もが人生で経験する様々な心の機微を教えてくれる。不思議な感覚なのですが、上記の先生のお話から幾多の歳月が流れた今になって、私は漸くそれを、身を持って実感するようになりました。

音楽を通して、人生を“心で”より深く理解する。

ただ一心に、これからも精進を重ねて参りたいと思います。
またどこかの会場で皆様にお目にかかれますように。
吉永哲道


〈プログラム〉
【前半】
J.S.バッハ=F.ブゾーニ:コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声す」 BWV645
J.S.バッハ:フランス組曲第2番 ハ短調 BWV813
L.v.ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番 ニ短調 op.31-2 「テンペスト」
【後半】
M.ムソルグスキー: 展覧会の絵

〈アンコール〉
M.グリンカ:「別れ」ノクターン
C.ドビュッシー:前奏曲集第2集より “風変わりなラヴィーヌ将軍”
D.スカルラッティ:鍵盤ソナタ d-moll K.32 “アリア”
J-F.ラモー:クラヴサン曲集より “つむじ風”
J.ブラームス:間奏曲 op.118-2

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2018年08月26日

【終了御礼】同志。

8月18日、ヤマハ銀座店6Fサロンでのバス歌手渡部智也氏との「第2回ロシア声楽コンクール 受賞記念コンサート」が、盛況の内に終了致しました。
お越し頂きました皆様に、心より御礼申し上げます。

何をしたいのかではなく、何をすべきなのか。
それが明確になると、人生は実にシンプルに、迷いなく生きる事ができます。
私がもう10年以上渡部氏の伴奏を続けさせて頂いているのは、そんな彼の生き方に共感しているからだと、今回の演奏会は、改めてそれを強く実感する機会となりました。
ピアニストは孤独です。
だからこそ、志を共にできる共演者との出会いは一生の財産となる、なり得ると、私は思っています。

今後とも、私たちの活動をお見守り頂ければ幸いです。
感謝を込めて。

吉永 哲道

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2018年08月12日

CD『G線上のアリア 〜J.S.バッハと珠玉の小品たち〜』販売のお知らせ。

CD『G線上のアリア 〜J.S.バッハと珠玉の小品たち〜』の販売を開始致しました。
J.S.バッハの作品及び、これまでに演奏会のアンコール等で弾いて参りました小品を収録しております。
HPでもご注文を承りますので、どうぞお問い合わせ下さい。
尚、アーカイヴにてバッハのフランス組曲よりアルマンドをご試聴頂けます。
吉永哲道

『G線上のアリア 〜J.S.バッハと珠玉の小品たち〜』
吉永哲道(ピアノ)

〈収録作品〉
◆J.S.バッハ=F.ブゾーニ:
コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」 BWV659
◆J.S.バッハ:
フランス組曲第1番 ニ短調 BWV812
◆W.A.モーツァルト=F.リスト:
アヴェ・ヴェルム・コルプス
◆F.ショパン:
ポロネーズ第3番 イ長調 op.40-1(通称「軍隊」)
マズルカ 嬰ハ短調 op.63-3
エチュード ホ長調 op.10-3(通称「別れの曲」)
◆F.メンデルスゾーン:
無言歌集より ホ長調 op.19-1(通称「甘い思い出」)
◆R.シューマン:
《子供の情景》op.15より「トロイメライ」
◆J.ブラームス:
間奏曲 イ長調 op.118-2
◆M.グリンカ:
「別れ」 ノクターン
◆S.ラフマニノフ:
プレリュード 嬰ハ短調 op.3-2(通称「鐘」)
◆J.S.バッハ=A.ジローティ:
管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068より エール(通称「G線上のアリア」)

吉永哲道(ピアノ)
録音:2018年5月7日、大泉学園ゆめりあホール
定価:2,500円(税込)

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