2020年02月29日

【終了報告】モスクワ公演 其の三〈異文化が出会う場所〉

「トモヤ!テツミチ!」
日本から約10時間のフライトで、ロシアはシェレメチェボ空港へ降り立った私と渡部智也さんを明るい口調と笑顔で迎えてくれたのは、久しぶりの再会となったバヤーン奏者のジェーニャさん(ジェーニャはエフゲニーの愛称)。
再会の挨拶を交わすも束の間、車で出迎えに来て下さったジェーニャさんの運転で、モスクワ市内のホテルへ。車内での弾む会話と、留学生活ですっかり記憶に刻まれた車窓を流れる風景に、フライトの疲れは次第に心地よさへと変わっていきます……。

こうして始まった今回のモスクワの旅。幸いな事に、3回のコンサートはいずれも、お客様や各会場の関係者の方々から大変なご好評をいただきました。

改めて、強く思った事があります。

音楽は人に何をもたらすのか?
何故、私は音楽に惹かれてやまないのか?
世界に音楽が存在する意義とは……?

お客様から、拍手とともにいただいた「スパシーバ!」のかけ声。
あるロシア人女性は、「遠い日本から来て下さり、演奏して下さった事に本当に感激しています。ありがとう!」とおっしゃって下さりました。

海外で演奏すると、身をもって気付くのです。
演奏において最も大切なのは、異文化への理解と敬意、そしてそれを共有したいという想いなのだと。その想いがあってこそ、初めて音楽は人と人との血の通った心の交流になり得る。

音楽は、きっと、人種や国籍を超えた相互理解を人間が忘れないために存在するのでしょう。それを、今後の自身の音楽人生において守っていきたいと、私は思うのです。

今回の旅を支えて下さった方々。そして、新たに出会った方々。
全ての方々への感謝を込めて。

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2020年02月28日

【終了報告】モスクワ公演 其の二〈ジョイントコンサート〉

2月9日(日)は、モスクワから北東に30キロ程離れた場所に位置する「星の街」と言う、外国人にとっては珍しい場所を訪れました。星の街は、かつては閉鎖都市となっていた宇
宙飛行士の訓練施設がある街で、現在も外部から入るには数ヶ月前に申請の手続きを
する必要があります。
この日は、その街の文化施設「宇宙飛行士の家」内のホールにて、翌日10日は、モスク
ワ市内のグネーシン音楽アカデミー内のホールにて、ロシア民族楽器奏者の方々とジョイントコンサートを行いました。
私は、ピアノソロではチャイコフスキー、ラフマニノフ、山田耕筰の小品を、アンサンブルではロシア及び日本歌曲や民謡の伴奏の他、バラライカ奏者との共演による『バンブル・ブギ』(リムスキー=コルサコフの『熊蜂の飛行』をブギウギのスタイルで編曲した、エキサイティングな作品です!)、バヤーン、歌唱、ピアノのアンサンブルで日本の『ふるさと』を演奏しました。両公演で参加メンバーとプログラムは異なりましたが、どちらもお客様が大変喜んで下さり、私たち演奏者にとっても非常に楽しいひと時となりました。


〈出演〉
◆2月9日
Евгений МИРОНЕНКО
エフゲニー・ミロネンコ(バヤーン)
Максим Гавриленко
マクシム・ガヴリレンコ(グースリ)
後閑理恵(歌唱、グースリ)
渡部智也(歌唱)
吉永哲道(ピアノ)

◆2月10日
Евгений МИРОНЕНКО
エフゲニー・ミロネンコ(バヤーン)
Максим Гавриленко
マクシム・ガヴリレンコ(グースリ)
Константин ЗАХАРАТО
コンスタンティン・ザハラト(バラライカ)
後閑理恵(歌唱、グースリ)
渡部智也(歌唱)
吉永哲道(ピアノ)


*お断り
10日のグネーシン音楽アカデミー公演の写真が私の手元にはあまりない為、バラライカ
奏者コンスタンティンさんの写真は、8日のスクリャービン博物館でのリハーサル時に撮っ
たものを掲載させていただきます。


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2020年02月27日

【終了報告】モスクワ公演 其の一〈リサイタル〉

先般、2月6日から13日までの約1週間モスクワに滞在し、演奏会を行って参りました。

◆リサイタル
2月8日/スクリャービン博物館
◆民族楽器奏者とのジョイントコンサート
2月9日/星の街
2月10日/グネーシン音楽アカデミー

そのコンサートの様子等を、3回に渡って掲載させていただきます。
どうぞ、ご笑覧いただければ嬉しく思います。


先ずは2月8日に、モスクワ市内の中心部は旧アルバート通り界隈にあるスクリャービン
博物館にて、バス歌手の渡部智也さんと各々プログラムを組み、行ったリサイタルです。
個人的な事ですが、今回のリサイタルは私にとって、2015年1月に恩師ヴェーラ・ゴルノス
ターエヴァ先生が亡くなって以来ずっと心の中にあった、“先生の為にモスクワで弾く”と
いう想いを叶える機会となりました。その事を、心から嬉しく、幸いに思っています。

当日の会場は、満員のお客様。
盛大な拍手と“ブラヴォー!”に混じり、“スパシーバ!(ありがとう!)”のかけ声を下さっ
たお客様がいらした事が、ことに印象的でした。


《日本から愛をこめて》
第1部
《ヴェーラ・ヴァシーリェヴナ・ゴルノスターエヴァへの音楽の贈り物》
吉永哲道(ピアノ)

S.ラフマニノフ:
前奏曲嬰ハ短調 op.3-2
P.チャイコフスキー:
「四季」op.37bより
3月 “ひばりの歌”
5月 “白夜”
6月 “舟歌”
9月 “狩り”
F.シューベルト:
楽興の時 D.780(全6曲)
F.リスト:
ハンガリー狂詩曲第10番 ホ長調 “前奏曲”

第2部
《新しい時代への息吹》
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

D.ショスタコーヴィチ:
E.ドルマトーフスキーの詩による5つのロマンス op.98
“出会いの日”
“告白の日”
“絶望の日”
“喜びの日”
“追憶の日”
大津三郎:
花のまわりで
成田為三:
浜辺の歌
G.スヴィリドフ:
バーンズの詩による歌曲集より
“ジョン・アンダーソン”
“兵士の帰還”

〜アンコール〜
D.カバレフスキー:
ドン・キホーテのセレナーデ
[渡部]
M.ムソルグスキー:
展覧会の絵より “キエフの大門”
[吉永]

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2020年01月01日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
平素よりこのブログをご覧いただいております皆様には、先ず心より御礼申し上げます。

昨年12月、長年自分の中で想いを温めて参りました、オール・J.S.バッハ・プログラムによるリサイタル第1弾を実施致しました。
モスクワから帰国後、30代の10年をかけて試行錯誤、積み重ねてきたものが、ようやく少しずつではありますが自分の中で実を結び始めてきているように感じます。

自分の意志で音楽の道を選んだのですから、やらなければならない事があります。
音楽を愛する気持ち故に、やらずにはいられない事があります。
自らの心に正直に、本年も精進して参ります。

2020年最初の演奏会は、毎冬恒例となっている渡部智也氏のバス・リサイタル。
2月にはモスクワにて、恩師である故ヴェーラ・ゴルノスターエヴァ先生を偲ぶリサイタル等、3回のコンサートへの出演を予定しています。

末筆となりましたが、皆様の新年がどうぞ希望に満ちたものでありますように、ご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

吉永哲道

【コンサート情報】
◆第6回 渡部智也 バス・リサイタル
〜新しい時代への息吹〜

〈日時・会場〉
2020年1月10日(金) 14:00開演(13:20開場)
カンマーザール in 立川
2020年1月13日(月・祝) 14:00開演(13:30開場)
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール

〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
D.ショスタコーヴィチ:
ドルマトーフスキーの詩による5つの歌曲より
D.カバレフスキー:
ドン・キホーテのセレナーデ
G.スヴィリドフ:
モスクワの朝
G.スヴィリドフ:
バーンズの詩による歌曲集
(ロシア語歌唱、日本語字幕付き)


◆ソロリサイタル
《ヴェーラ・ヴァシーリエヴナ・ゴルノスターエヴァへの音楽の贈り物》

〈日時・会場〉
2020年2月8日(土) 15:00開演
スクリャービン博物館、モスクワ

〈出演〉
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
J.S.バッハ:
最愛なる兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ BWV992
A.スクリャービン:
2つの詩曲 op.32
F.シューベルト:
楽興の時 D.780
F.シューベルト=F.リスト:
水の上で歌う
セレナーデ
F.リスト:
ハンガリー狂詩曲第10番

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2019年12月10日

【終了御礼】バッハ探訪。

去る11月22日にカンマーザール in 立川、12月3日に紀尾井町サロンホールにて、オールバッハ作品プログラムによるピアノリサイタル、「吉永哲道ピアノリサイタル 〜J.S.バッハへの旅 vol.1(2019)〜」を行いました。
先ずはご来場いただきました皆さまに、心より御礼申し上げます。


何故、今バッハなのか?
ご存知の通り、J.S.バッハが生きた時代には現在のような打弦機構を有し、鍵盤へのタッチによって音色や音量を奏者の意のままに変化させられる楽器はありませんでした。
バッハの時代には存在しなかった楽器で、彼の作品を演奏する。
そこに、モダンピアノでバッハの作品を演奏する難しさがあります。ですがその難しさは同時に、ピアニストに“様々な可能性を追求する自由”を許しており、それこそが、バッハの作品と対峙する際の最も興味深いプロセスであると言えるでしょう。


奏者が渇望するならば、声楽のように歌い上げる事も、管弦楽のように響かせる事もできる現代のピアノ。その機能を最大限に駆使できるならば……。


「バッハの音楽に自然に近付けばよいのです。形式的に、ではなく、バッハの、そう、その複数の声部に耳を傾けることです。つまりポリフォニー、最高のポリフォニーに。」
── タチヤーナ・ニコラーエヴァ


奏者の耳が全ての声部にひらき、歌い上げる事ができる時、見えてくるバッハの世界があります。形式的なバッハ像ではなく、人間バッハによって書かれた血が通う音楽を再現する事。


私たちの時代に新たな生命を得るバッハを目指して、隔年でこのシリーズを続けて参ります。

また会場で皆さまにお会いできますように。
感謝を込めて。

吉永哲道


◆カンマーザール公演
〈プログラム〉
【前半】
J.S.バッハ:
最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ B-dur BWV992
インヴェンション BWV772-786 全15曲
【後半】
J.S.バッハ:
カンタータBWV82 「われは満ちたれり」より
*バス独唱/渡部智也、フルート/井馬佐紀子
フランス風序曲 h-moll BWV831

〈アンコール〉
J.S.バッハ=M.ヘス:
主よ、人の望みの喜びよ


◆紀尾井町サロンホール公演
〈プログラム〉
【前半】
J.S.バッハ:
フランス組曲第2番 c-moll BWV813
インヴェンション BWV772-786 全15曲
【後半】
J.S.バッハ:
最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ B-dur BWV992
フランス風序曲 h-moll BWV831

〈アンコール〉
J-F.ラモー:
クラヴサン曲集より “ミューズたちの対話”
E.グラナドス:
スペイン舞曲集より “アンダルーサ”
J-F.ラモー:
クラヴサン曲集より “つむじ風”
J.S.バッハ=M.ヘス:
主よ、人の望みの喜びよ


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