2020年01月01日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
平素よりこのブログをご覧いただいております皆様には、先ず心より御礼申し上げます。

昨年12月、長年自分の中で想いを温めて参りました、オール・J.S.バッハ・プログラムによるリサイタル第1弾を実施致しました。
モスクワから帰国後、30代の10年をかけて試行錯誤、積み重ねてきたものが、ようやく少しずつではありますが自分の中で実を結び始めてきているように感じます。

自分の意志で音楽の道を選んだのですから、やらなければならない事があります。
音楽を愛する気持ち故に、やらずにはいられない事があります。
自らの心に正直に、本年も精進して参ります。

2020年最初の演奏会は、毎冬恒例となっている渡部智也氏のバス・リサイタル。
2月にはモスクワにて、恩師である故ヴェーラ・ゴルノスターエヴァ先生を偲ぶリサイタル等、3回のコンサートへの出演を予定しています。

末筆となりましたが、皆様の新年がどうぞ希望に満ちたものでありますように、ご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

吉永哲道

【コンサート情報】
◆第6回 渡部智也 バス・リサイタル
〜新しい時代への息吹〜

〈日時・会場〉
2020年1月10日(金) 14:00開演(13:20開場)
カンマーザール in 立川
2020年1月13日(月・祝) 14:00開演(13:30開場)
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール

〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
D.ショスタコーヴィチ:
ドルマトーフスキーの詩による5つの歌曲より
D.カバレフスキー:
ドン・キホーテのセレナーデ
G.スヴィリドフ:
モスクワの朝
G.スヴィリドフ:
バーンズの詩による歌曲集
(ロシア語歌唱、日本語字幕付き)


◆ソロリサイタル
《ヴェーラ・ヴァシーリエヴナ・ゴルノスターエヴァへの音楽の贈り物》

〈日時・会場〉
2020年2月8日(土) 15:00開演
スクリャービン博物館、モスクワ

〈出演〉
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
J.S.バッハ:
最愛なる兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ BWV992
A.スクリャービン:
2つの詩曲 op.32
F.シューベルト:
楽興の時 D.780
F.シューベルト=F.リスト:
水の上で歌う
セレナーデ
F.リスト:
ハンガリー狂詩曲第10番

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2019年12月10日

【終了御礼】バッハ探訪。

去る11月22日にカンマーザール in 立川、12月3日に紀尾井町サロンホールにて、オールバッハ作品プログラムによるピアノリサイタル、「吉永哲道ピアノリサイタル 〜J.S.バッハへの旅 vol.1(2019)〜」を行いました。
先ずはご来場いただきました皆さまに、心より御礼申し上げます。


何故、今バッハなのか?
ご存知の通り、J.S.バッハが生きた時代には現在のような打弦機構を有し、鍵盤へのタッチによって音色や音量を奏者の意のままに変化させられる楽器はありませんでした。
バッハの時代には存在しなかった楽器で、彼の作品を演奏する。
そこに、モダンピアノでバッハの作品を演奏する難しさがあります。ですがその難しさは同時に、ピアニストに“様々な可能性を追求する自由”を許しており、それこそが、バッハの作品と対峙する際の最も興味深いプロセスであると言えるでしょう。


奏者が渇望するならば、声楽のように歌い上げる事も、管弦楽のように響かせる事もできる現代のピアノ。その機能を最大限に駆使できるならば……。


「バッハの音楽に自然に近付けばよいのです。形式的に、ではなく、バッハの、そう、その複数の声部に耳を傾けることです。つまりポリフォニー、最高のポリフォニーに。」
── タチヤーナ・ニコラーエヴァ


奏者の耳が全ての声部にひらき、歌い上げる事ができる時、見えてくるバッハの世界があります。形式的なバッハ像ではなく、人間バッハによって書かれた血が通う音楽を再現する事。


私たちの時代に新たな生命を得るバッハを目指して、隔年でこのシリーズを続けて参ります。

また会場で皆さまにお会いできますように。
感謝を込めて。

吉永哲道


◆カンマーザール公演
〈プログラム〉
【前半】
J.S.バッハ:
最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ B-dur BWV992
インヴェンション BWV772-786 全15曲
【後半】
J.S.バッハ:
カンタータBWV82 「われは満ちたれり」より
*バス独唱/渡部智也、フルート/井馬佐紀子
フランス風序曲 h-moll BWV831

〈アンコール〉
J.S.バッハ=M.ヘス:
主よ、人の望みの喜びよ


◆紀尾井町サロンホール公演
〈プログラム〉
【前半】
J.S.バッハ:
フランス組曲第2番 c-moll BWV813
インヴェンション BWV772-786 全15曲
【後半】
J.S.バッハ:
最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ B-dur BWV992
フランス風序曲 h-moll BWV831

〈アンコール〉
J-F.ラモー:
クラヴサン曲集より “ミューズたちの対話”
E.グラナドス:
スペイン舞曲集より “アンダルーサ”
J-F.ラモー:
クラヴサン曲集より “つむじ風”
J.S.バッハ=M.ヘス:
主よ、人の望みの喜びよ


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2019年01月01日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
平素よりこのブログをご覧いただいておりますことに、先ず心より御礼申し上げます。

2008年の12月末に留学先のモスクワから完全帰国して以来、ちょうど10年の時が経ちました。
私が初めてヴェーラ・ゴルノスターエヴァ先生にお会いしたのは、1990年2月、11歳の時。
ヤマハマスタークラスでのレッスンを経て、更にヴェーラ先生の下で学ぶべくモスクワへ渡ったのが、1998年9月、20歳になる直前のことでした。そして前述の通り、2008年12月、30歳を迎えた直後に日本に完全帰国、演奏及び指導活動を始め、2010年5月、31歳の時に、現在の師である大野眞嗣先生の門を叩くこととなりました。
振り返ってみると、私の人生は、こうしておよそ10年単位で大きな節目を迎えてきているように思います。

「求めよ、さらば与えられん。」
私は信仰を持つ人間ではありません。
ですが、音楽が私に、人生で訪れる広義での様々な“出会い”は、自ら強く望めば必ず与えられるものであることを教えてくれました。
40代に入った新たな10年がどのような時間となるのか。
変化を恐れず、自分がなすべきことをしっかりと見据え精進して参ります。

末筆となりましたが、新年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
吉永哲道


【コンサート情報】
第5回渡部智也バスリサイタル
〜グリンカから国民楽派へ〜
(2回公演)
◆2019年1月25日(金) 14時開演(13時20分開場)
カンマーザールin立川

◆2019年2月4日(月) 18時30分開演(18時開場)
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール

〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈プログラム〉
A.ダルゴムィシスキー:
夜のそよ風、私は悲しい、九等官、ボレロ
A.ボロディン:
遠い祖国の岸辺を求めて
M.バラキレフ:
歌うな、美しい人よ、私の前で
M.ムソルグスキー:
神学生
M.グリンカ:
歌曲集「ペテルブルクの別れ」全12曲

*詳細は、追って掲載致します。

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2018年12月18日

【終了報告】命の歌。

去る11月30日(金)、静岡市は顕光院本堂にて「こんちぇるてっくなお寺の夕べ Vol.3」を開催致しました。今回も多くのお客様がお集まり下さり、盛況の内に終えられました事を、出演者一同嬉しく思っております。改めまして、ご住職の木村文輝様をはじめ演奏会の為にご尽力下さった皆様、また当日お運びいただき温かく耳を傾けて下さった全てのお客様に、心より御礼申し上げます。



《森で生きている間、黙っていた。命を失った今、澄んだ声で歌う。》


これは、ある古いチェロにラテン語で刻まれていた言葉だそうで、演奏会に向けての準備の折に、メゾソプラノの山本彩子さんが教えて下さいました。


伐採され命を失った樹木が、楽器として姿を変え声を得る。

……ふと、ピアノも同じだと思ったのです。

ピアノもまた木が使われている楽器であり、奏者はその命を貰って音楽を奏でているのだと。


顕光院のコンサートで使用したピアノは、前回同様、約100年前にイギリスで製造されたアップライトピアノ。人の寿命に例えれば既に100歳を超えている訳ですから、当然、経年劣化故の演奏上の不都合が色々とあった事も事実です。けれども、鍵盤へのタッチ次第では非常に繊細で、今の楽器にはない良い意味で枯れた、味わいのある響きで応えてくれる。


ピアニストは一般的に自分の楽器を持ち運ばない(持ち運べない!)為、演奏会で楽器を選ぶ事はできません。ですが、逆もまたしかり。ピアノも自らの意思で弾き手を選ぶ事はできません。彼らはただ、弾かれる事を待っているだけなのです。


目の前に100年の歳月を経て尚、歌おうとしている楽器がある。

それならば、私がなすべき事はただ一つ。

その楽器が持っている一番美しい声……《澄んだ声》を引き出す為に、心を尽くす事。


ピアノから生まれる、木々の命の歌。

一心に楽器や音楽と向き合う事ができる自分の人生を、私は幸いに思っています。

またどこかの会場で皆様とお会いできますように。

吉永哲道


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2018年09月18日

【終了御礼】音楽と人生。

去る9月11日、日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホールにて、「〜ロシアピアニズムの響き〜 吉永哲道ピアノリサイタル」を開催致しました。
お運びくださりました皆様に、改めまして心より御礼申し上げます。

「悲しい音楽を演奏するのに、必ずしも演奏者自身が同じような悲劇を体験していなくともよい。同様に、愛について語っている音楽を弾く時、必ずしも同じような愛を知っていなくともよい。なぜなら、私たちは時に、音楽から人生を教わるのだから。」

10代前半の少年だった私に、恩師であるヴェーラ先生がこのようなお話をしてくださった事がありました。
殊に最近、その事を強く想うのです。
感情的になって演奏するのではなく、響きにじっと耳を傾けながら作品と向き合っていると……音楽(作品)が、恐らく私たち誰もが人生で経験する様々な心の機微を教えてくれる。不思議な感覚なのですが、上記の先生のお話から幾多の歳月が流れた今になって、私は漸くそれを、身を持って実感するようになりました。

音楽を通して、人生を“心で”より深く理解する。

ただ一心に、これからも精進を重ねて参りたいと思います。
またどこかの会場で皆様にお目にかかれますように。
吉永哲道


〈プログラム〉
【前半】
J.S.バッハ=F.ブゾーニ:コラール前奏曲「目覚めよと呼ぶ声す」 BWV645
J.S.バッハ:フランス組曲第2番 ハ短調 BWV813
L.v.ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番 ニ短調 op.31-2 「テンペスト」
【後半】
M.ムソルグスキー: 展覧会の絵

〈アンコール〉
M.グリンカ:「別れ」ノクターン
C.ドビュッシー:前奏曲集第2集より “風変わりなラヴィーヌ将軍”
D.スカルラッティ:鍵盤ソナタ d-moll K.32 “アリア”
J-F.ラモー:クラヴサン曲集より “つむじ風”
J.ブラームス:間奏曲 op.118-2

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