2021年04月05日

【終了報告】ムソルグスキーの音楽。

渡部智也氏の第7回バスリサイタル、2公演(3月26日、31日)が無事終了しました。

後半に取り上げられたムソルグスキーの「死の歌と踊り」は、作曲家の強烈な個性が顕著に現れ
た、歌曲集と言えども各曲がオペラのアリアの様に一つの場面を描く劇的な作品です。

作品の根底を成す概念は、“理不尽な死”。

子守歌……「幼子の死」
病気による死……「セレナーデ」
貧困による死……「トレパーク」
司令官……「戦争による死」

人間として生を受けた以上目を背けることのできない、突然の、理不尽な死。
ムソルグスキーは、私たちにその事実を容赦なく突き付け、鋭く問うのです。

“これが人間の運命だ。”
“お前がその事実に直面したならば、どうする?”

民衆の中に身を置き、恐らくその死をも自らのものとして追体験せんとしたムソルグスキーの生き
様が、この傑作を創作せしめたのでしょう。避けられない死を前に人はどう生きるのか。それは
現代社会においても、私たちがそれぞれに、深く思いを至らせる問題ではないでしょうか。

ご来場、ご高評いただきました皆さまに、深く感謝申し上げます。
どうぞ明日が良い日でありますように。
吉永哲道


第7回 渡部智也 バス・リサイタル
〜ダルゴムィシスキーからムソルグスキーへ〜

〈公演日程〉
2021年3月26日(金) カンマーザール in 立川
2021年3月31日(水) 紀尾井町サロンホール

〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈プログラム〉
A.ダルゴムィシスキー:
夜のそよ風
物憂くて悲しい
虫けら
結婚*
若者と乙女
九等官
庭園
ボレロ

M.ムソルグスキー:
歌曲集「死の歌と踊り」全曲
子守歌
セレナード
トレパーク
司令官

*は紀尾井町サロンホール公演のみ

〈アンコール〉
A.ダルゴムィシスキー:
私は貴女を愛した


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2021年03月27日

【終了御礼】ロシアピアニズムの響き。

少し日が経ってしまいましたが、去る3月13日、愛知県は春日井市のホール、Fantasie-Impromptuでのリサイタルが盛況の内に終了致しました。終演後の懇親会では、ご来場いただいた皆様から多くのご好評をいただき、改めましてこの場で御礼を申し上げます。

このブログでもこれまで度々書かせていただいていますが、私が初めてロシアのピアノ流派の響きを生で体験したのは、11歳の春、ヴェーラ・ゴルノスターエヴァ先生との出会いによってでした。

それから18年ヴェーラ先生の下で学び、30歳でモスクワから帰国するもまだ自分の音(音楽)に納得できず東京の大野眞嗣先生の門を叩き……11歳から今日までひたすらに、「自分自身の響き」を追い求めて試行錯誤を続けてきています。

響きが磨かれてくる程に、作品の奥深い世界、そこに存在する作曲家の魂が感じられるようになり、その喜びをお聴き下さる方々と共有したい。
私が響きにこだわらずにいられない理由は、ただそれだけです。

『響きの文化』とも言えるこの唯一無二のピアニズムを、私自身の中に根付かせ継承する努力を怠らず、演奏、指導の両分野を通して多くの方にこれからも「本物の音楽」をお伝えしていきたいと思っています。
末筆となりますが、いつもピアノを最良のコンディションに調整して下さる調律師の更家雅之氏、また細やかなご配慮で温かくお迎え下さるホールオーナーの林様に、心からの感謝を申し上げます。

どうぞ明日が良い日でありますように。
吉永哲道


─ ロシアピアニズムの真髄を弾く ─
𠮷永哲道 ピアノリサイタル

〈出演〉
吉永哲道(ピアノ)

〈プログラム〉
J.ブラームス:
インテルメッツォ 変ホ長調 op.117-1
インテルメッツォ イ長調 op.118-2
L.v.ベートーヴェン:
ピアノソナタ第17番 op.31-2「テンペスト」
M.グリンカ:
ノクターン「別れ」
M.ムソルグスキー:
展覧会の絵

〈アンコール〉
P.チャイコフスキー:
「四季」op.37bより 3月“ひばりの歌”
F.シューベルト:
ワルツ 嬰ハ短調 D.145, op.18-4
ワルツ 嬰ハ短調 D.365, op.9-27
ワルツ ロ短調 D.145, op.18-6
J.S.バッハ=M.ヘス:
「主よ、人の望みの喜びよ」(カンタータBWV147 より)


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2021年02月21日

【終了御礼】恩師を偲んで。

去る2月8日、紀尾井町サロンホールにてリサイタル「ヴェーラ・ヴァシーリェヴナ・ゴルノスターエヴァ先生への音楽の贈り物」を実施、盛況の内に終了致しました。
緊急事態宣言発令下の現状を考慮し、入場者数を40席に限定させていただきましたが、当日は満員となり、改めましてご来場いただきました皆さまに篤く御礼申し上げます。

私は11歳の春に東京にてヴェーラ先生と出会い、その後、ヤマハマスタークラス及びモスクワ国立音楽院在籍期間を通し18年間、先生の薫陶を受ける事ができました。
先生との出会いによって私の人生がどれほど豊かなものになったのか……言葉では語り尽くせませんが、先生から与えられたものを次世代へと伝え、1人でも多くの方と“音楽する喜び”を共有する事が、これまでも、そしてこれからも私が生涯を通してなすべき仕事だと思っています。
私の自己満足かも知れません。
けれど、ヴェーラ先生が微笑みながら見守っていて下さる事を信じて。

どうぞ、皆さまの明日がよい日でありますように。
吉永哲道

〈プログラム〉
F.シューベルト:
15のワルツ(V.ゴルノスターエヴァ編纂)
L.v.ベートーヴェン:
ピアノソナタ第17番 op.31-2「テンペスト」
S.ラフマニノフ:
前奏曲 嬰ハ短調 op.3-2
M.ムソルグスキー:
展覧会の絵

〈アンコール〉
P.チャイコフスキー:
「四季」op.37bより 6月“舟歌”
J-F.ラモー:
クラヴサン曲集より “一つ目の巨人”
J.S.バッハ=M.ヘス:
「主よ、人の望みの喜びよ」(カンタータBWV147 より)


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2020年12月30日

心豊かに。

平素よりこのブログをご訪問下さっております皆さまに、心より感謝申し上げます。

2020年は私たちにとって激動の一年でした。
新型コロナウィルスの蔓延に脅かされた生活。
未だ収束は見えておりませんが、私はそれでもと、音楽が人の心に喜びをもたらす事を信じ、演奏、指導活動を続けて参りました。

人間が、人間らしくありたいという想い。
それこそが世界を救うエネルギーになると、私は強く思っています。
勿論、私個人に世界を変える力など到底ありませんが、先ずは身近から。
自らの手が届く範囲で、一人でも多くの方と音楽を通し何かを分かち合い、心の豊かさを求めていく事ができればと願っています。

どうぞ皆さまに、佳い新年が訪れますように。

吉永哲道


【2021年1〜2月の演奏会情報】
◆第7回 渡部智也 バスリサイタル
〜ダルゴムィシスキーからムソルグスキーへ〜
〈日時・会場〉
2021年1月22日(金)14:00開演(13:45開場)
カンマーザール in 立川
2021年1月25日(月)14:30開演(14:00開場)
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール

〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
A.ダルゴムィシスキー:
愛している、美しい人よ
私は悲しい
東方のロマンス
結婚
夜のそよ風
退屈で悲しい
若者と乙女
九等官
庭園
ボレロ
M.ムソルグスキー:
歌曲集「死の歌と踊り」全曲
(ロシア語歌唱、日本語字幕付き)


◆ソロリサイタル
《Музыкальное приношение В.В.Горностаевой》
〜ヴェーラ・ヴァシーリェヴナ・ゴルノスターエヴァ先生への音楽の贈り物〜
吉永哲道 ピアノリサイタル

〈日時・開場〉
2021年2月8日(月)18:45開演(18:15開場)
紀尾井町サロンホール

〈出演〉
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
F.シューベルト:
15のワルツ(V.ゴルノスターエヴァ編纂)
L.v.ベートーヴェン:
ピアノソナタ第31番 op.110
S.ラフマニノフ:
前奏曲 嬰ハ短調 op.3-2
M.ムソルグスキー:
展覧会の絵


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2020年10月30日

【終了御礼】スピリチュアルな体験。

去る10月18日、静岡市研屋町の顕光院にて、ピアノリサイタルを開催させていただきまし
た。

新型ウィルスによる社会の混乱がまだまだ収まらない状況下ではありますが、60名ほど
のお客様がご来場くださり、私自身、石床のご本堂に響き渡るピアノの音色を心ゆくまで
堪能しながら、演奏させていただきました。
演奏の場をご提供くださったご住職の木村文輝様を始めとしまして、今回この演奏会に
関わってくださった全ての方々に、心より御礼申し上げます。

“ステージで演奏する時、貴方は神と対話するのですよ”
昔、私の恩師がそうおっしゃった事がありました。

一音の響きの中に、私たちは何を聴くのか?
何を感じ取るのか?
自ら奏でる音にじっと耳を傾ける時間は非日常であり、何か特別な……スピリチュアルな
体験であると感じずにはいられません。

人々の、心豊かな生活。
私は、音楽がその一助になるならば、この先も一心に演奏を続けていきたいと思ってい
ます。
どうぞ明日が良い日でありますように。

吉永哲道

令和2年 顕光院 秋の本堂コンサート
ピアノの音色に誘われて 〜吉永哲道 独奏会〜

〈出演〉
吉永哲道(ピアノ)

〈プログラム〉
F.ショパン:
ノクターン 嬰ハ短調 遺作
J-F.ラモー:
クラヴサン曲集より
“ミューズたちの対話”
“いたずら好き”
“一つ目の巨人”
L.v.ベートーヴェン:
ピアノソナタ第8番 op.13「悲愴」
M.ムソルグスキー:
展覧会の絵

〈アンコール〉
P.チャイコフスキー:
「四季」op.37bより 3月“ひばりの歌”
E.グラナドス:
スペイン舞曲集より アンダルーサ


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