私は、音楽家とは心の在り方だと、常日頃から思っています。
ご一読いただければ嬉しく思います。
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(あの…)芸術ってやっぱり、(その)人間の良心から生まれてくるものだと思っているんです。で、それは僕は(やはりあの…)ロシアに行って、ロシアの作曲家を深く知って、ロシアの音楽家を沢山知って、(その)彼らの心の在り方をみた時に、本当にその…良い音楽っていうのは人間の良心から生まれるものなんだなという事を、(まあ)それが一つ、学んだ事の一つと言ってもいいかなと自分では思っています。
で…ただ、(あの…ね、その)良心というものもあれば、争い事を起こすのも、これもまた人間の心なので、結局人間が人間を裁くっていう事はできないんですけども、それならば良心から生まれた芸術っていうものを、(やはり、あの)私も黒岩さんも音楽家ですから、(その)過去の作曲家が良心から生み出したものっていうのを伝える事っていうのが、(それが、えっと…)私たちが音楽家として、(こう)音楽家を生業としていく意味合いじゃないかなというふうに考えています。
そんなところですよね。
で、(やはりその、)ラフマニノフの音楽っていうのは物凄くそういう、私の先生もおっしゃっ…(あの)私の先生は昔、(えっと…)「色んなラフマニノフの演奏があっていいけれども、一つだけ言えるのは、良心がない人間にラフマニノフは弾けない」っておっしゃってたんですけれども、それぐらい何か、心の深さ、懐の深さ、温かみというものを感じさせる音楽ではないかなと、私も黒岩さんも思っています。
(吉永談)
*私の先生……ヴェラ・ヴァシーリェヴナ・ゴルノスタエヴァ先生(1929-2015)
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