先日もレッスンにて、私には到底思いもつかないようなタッチの使い分けを次々とご指摘いただき、それを実践する事で様変わりしていく自分の演奏に、音楽する事の楽しみや喜びを心の底からかみしめさせていただいた。
楽譜を見た時、一つの音型、一つのフレーズに、どれほど豊かな「イントネーション」を発見する(感じ取る)事ができるか。想像力がなければ、どんなに技術を磨いて楽器の扱いに長けようとも、それは宝の持ち腐れになってしまう。一流の技術を必要とするような教養と音楽的感性が、弾き手になければ……。
技術は、所詮手段に過ぎない。
目的は、音楽。
音楽が技術を求めるのであり、自分の技術で音楽を作ろうとしてはいけない。
大野先生の音楽(先生のイマジネーション)は、目から鱗が落ちる様な音楽体験のみならず、時につい技術を試す誘惑にかられ本末転倒になる私を、あるべき正しい方向へと導いて下さるのである。
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