2021年07月28日

【演奏音源】2014年3月22日の演奏会より。(R.シューマンの作品)

【ポリフォニー音楽の神髄 Vol.2 〜知性と情緒の融合〜 吉永哲道ピアノリサイタル】より

R.シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6

吉永哲道(ピアノ)
Tetsumichi YOSHINAGA, piano

2014年3月22日、宗次ホールでの収録


《この間、オイゼビウスがそっと戸をあけてはいってきた。この男の蒼白い顔にうかぶ、皮肉な、いかにも好奇心をそそるような微笑は君も知っているはずだ。僕はフロレスタンといっしょにピアノの前にすわっていた。このフロレスタンというのは、君も知っている通り、およそ来るべきもの、新しいもの、異常なものなら何でもみな予感するという、まれに見る音楽的な男の一人だ。しかし、この日はさすがの彼もめんくらった。「諸君、帽子をとりたまえ、天才だ」といってオイゼビウスが楽譜を一つ見せた。標
題は見えなかったけれども、僕はなにげなくばらばらとめくってみた。(中略)
「さあ、やらないか」とフロレスタンがいうと、オイゼビウスが承知したので、僕らは出窓によりかかって耳をすませた。オイゼビウスはまるで霊感がのりうつったようにひいた。》

音楽評論家としてのシューマンは、自らの内にオイゼビウスとフロレスタンという異なる人格を作り、しばしば彼らに会話、議論をさせる形で作品論を執筆しました。

活発で情熱的なフロレスタン。
物静かで夢想家のオイゼビウス。

シューマンの作品を理解する上で大変重要な、対照をなすこれら二つの人格が音楽で顕著に表されたのが、このダヴィッド同盟舞曲集です(初版では各曲の最後に、シューマン自身がフロレスタンの頭文字であるF、オイゼビウスのそれであるEを書き記しています)。
彼らの生き生きとした振る舞いや語り口を想像しながら、お聴きいただければ嬉しく思います。

吉永哲道


*各曲ごとの頭出しの時間は、YouTubeの概要欄をご覧下さい。
(ピアニスト 吉永哲道 https://www.youtube.com/channel/UCtjXmRqPGkGV4LtWluj7ewg




posted by tetsumichi at 09:35| 演奏音源

2021年07月24日

【終了報告】音楽を通して。

7月11日の宗次ホールでの演奏会が、無事終了致しました。
未だコロナの収束が見えない状況の中、演奏会開催の為に日々尽力されているホール関係者の方々(本当に、大変な事だと思います)、また当日会場へお運び下さり、温かな拍手を下さったお客様に、心より感謝申し上げます。

私は、演奏会は音楽作品を通じて、弾き手と聴き手が日常を超えた感動を分かち合う場になり得る事が理想だと思っています。
無難に綺麗な音楽(演奏)ほどつまらないものはない。
お聴き下さる方に、願わくば心揺さぶられる音楽体験を。
そんな想いで、演奏を続けています。

来年も新しいレパートリーをお届け致します。
楽しみにお待ちいただければ嬉しく思います。

どうぞ明日が良い日でありますように。
吉永哲道

*私の演奏音源を投稿しておりますYoutubeチャンネル
(ピアニスト 吉永哲道 https://www.youtube.com/channel/UCtjXmRqPGkGV4LtWluj7ewg
で、今回のソロの演奏もいずれ公開させていただきます。



西欧からロシアへ 〜名曲でたどる伝統と栄華〜
黒岩悠×吉永哲道 ピアノ・ソロ&デュオ


〈出演〉
黒岩悠(ピアノ)
吉永哲道(ピアノ)

〈プログラム〉
[黒岩ソロ]
M.グリンカ:
ノクターン「別れ」
J.S.バッハ(F.ブゾーニ編):
シャコンヌ
[吉永ソロ]
F.リスト:
《詩的で宗教的な調べ》より 第7番「葬送」
P.チャイコフスキー:
18の小品 op.72より 第5番「瞑想曲」
[2台ピアノ]
P.チャイコフスキー(N.エコノム編):
「くるみ割り人形」組曲より
小序曲
行進曲
金平糖の踊り
ロシアの踊り
葦笛の踊り
花のワルツ
S.ラフマニノフ:
2台ピアノのための組曲第2番 op.17より
ロマンス
タランテッラ

〈アンコール〉
S.ラフマニノフ:
プレリュード op.3-2
*作曲者本人の編曲による2台ピアノ版


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posted by tetsumichi at 07:00| その他