2019年01月17日

【演奏会情報】第5回渡部智也バス・リサイタル 〜グリンカから国民楽派へ〜

今回のプログラムで注目すべきは、グリンカの歌曲集「ペテルブルクの別れ」全曲演奏。
私は、渡部智也さんがこの歌曲集全体の研究におよそ1年を費やし、歌い込んでいく過程を共にしてきましたが、その作品への並々ならぬ想いと情熱は、必ずや優れた歌唱となり会場の皆様に深い感動をもたらすと信じています。
彼の果敢なる挑戦を(私が申し上げるのも生意気ですが)、どうぞお聴き下さい。
お運びいただければ大変嬉しく思います。
吉永哲道


第5回渡部智也バス・リサイタル
〜グリンカから国民楽派へ〜

〈日時〉
2018年2月4日(月) 18時30分開演(18時開場)
〈会場〉
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール
〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)
〈曲目〉
A.ダルゴムィシスキー:
夜のそよ風、私は悲しい、九等官、ボレロ
A.ボロディン:
遠い祖国の岸辺を求めて
M.バラキレフ:
歌うな、美しい人よ、私の前で
M.ムソルグスキー:
神学生
M.グリンカ:
歌曲集「ペテルブルクの別れ」全12曲


(ロシア語歌唱、日本語字幕付き)

〈入場料〉
全席自由 2,000円
〈主催〉
音楽企画「マイスキーヴェーチェル」
〈製作協力〉
認定NPOおんがくの共同作業場
〈チケット取扱い〉
音楽企画「マイスキーヴェーチェル」
e-mail:mv-pro@live.jp
おんがくの共同作業場
http://www.gmaweb.net/npo/
Tel:042-522-3943


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posted by tetsumichi at 07:00| 演奏会情報

2019年01月15日

19.チェーホフの言葉。

《飲む事を欲し、海の水全てを飲み干さんとする── それが信仰である。
飲もうと思い、コップ2杯だけの水を飲み干す── それが科学である。》


ロシアの作家アントン・チェーホフ(1860〜1904)のこの言葉を、私はモスクワ留学時代にロシア語の先生から教えていただいた。

音楽を生業としている私にとって、このチェーホフの格言は大切な指針になっている。

心で動くのか、知性で動くのか。


是非の問題では、勿論ない。

ただ、理論的思考が時に感覚の妨げになる事、思考が優先した演奏はどこか人工的な印象を与える事を、私は身を持って経験してきた。

「心で仕事をしなさい」
「感情で音楽を理解しなさい」

10代の頃、ゴルノスターエヴァ先生にそう言われた事がある。


心で書かれた音楽は、心でもってのみ理解し得るのだ。


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2019年01月11日

【演奏会情報】カンマーザールサロンコンサート 第5回バス・リサイタル 渡部智也 〜グリンカからロシア国民楽派へ〜

《私は、渡部智也は未完の大器だとおもっている。演奏される機会のないロシヤ国民楽派の作品とそれらにつながる作品を世に送り出そうと格闘している。その成果は自身の声楽家としての評価となってくるから責任は重い。先日感動したのは、日本民話を素材としたオペラをきいたときだ。半纏とチョビ髭とわらぞうりのちょっと間抜けなお百姓さんを演じたがピッタリハマっていた。その時の日本語の美しさに仰天!ロシア音楽との出会いが「日本民話オペラ」に繋がってくる。いつかその時、かれの仕事は新たに始まるのかもしれないと。》
指揮・合唱指揮 郡司博


カンマーザールサロンコンサート 第5回バス・リサイタル 渡部智也
〜グリンカからロシア国民楽派へ〜
歌曲集「ペテルブルクの別れ」全曲演奏

〈日時〉
2019年1月25日(金) 14:00開演(13:20開場)
〈会場〉
カンマーザール in 立川
〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
A.ダルゴムィシスキー:
夜のそよ風、私は悲しい、九等官、ボレロ
A.ボロディン:
遠い祖国の岸辺を求めて
M.バラキレフ:
歌うな、美しい人よ、私の前で
M.ムソルグスキー:
神学生
M.グリンカ:
歌曲集「ペテルブルクの別れ」全12曲
ロマンス、ヘブライの歌、ボレロ、
カヴァチーナ、子守歌、旅の歌、
ファンタジア、バルカローラ、騎士の歌、
雲雀、モリーに、別れの歌

*曲目、曲順は変更になる場合がございます


13:30〜13:45 プレコンサート
白川媛葉(ピアノ)

<入場料>
全自由席 2,000円
コーヒー、紅茶、プレゼントつき

<チケットお問い合わせ>
カンマーザール
Tel:042-522-3931


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posted by tetsumichi at 07:00| 演奏会情報

2019年01月01日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
平素よりこのブログをご覧いただいておりますことに、先ず心より御礼申し上げます。

2008年の12月末に留学先のモスクワから完全帰国して以来、ちょうど10年の時が経ちました。
私が初めてヴェーラ・ゴルノスターエヴァ先生にお会いしたのは、1990年2月、11歳の時。
ヤマハマスタークラスでのレッスンを経て、更にヴェーラ先生の下で学ぶべくモスクワへ渡ったのが、1998年9月、20歳になる直前のことでした。そして前述の通り、2008年12月、30歳を迎えた直後に日本に完全帰国、演奏及び指導活動を始め、2010年5月、31歳の時に、現在の師である大野眞嗣先生の門を叩くこととなりました。
振り返ってみると、私の人生は、こうしておよそ10年単位で大きな節目を迎えてきているように思います。

「求めよ、さらば与えられん。」
私は信仰を持つ人間ではありません。
ですが、音楽が私に、人生で訪れる広義での様々な“出会い”は、自ら強く望めば必ず与えられるものであることを教えてくれました。
40代に入った新たな10年がどのような時間となるのか。
変化を恐れず、自分がなすべきことをしっかりと見据え精進して参ります。

末筆となりましたが、新年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
吉永哲道


【コンサート情報】
第5回渡部智也バスリサイタル
〜グリンカから国民楽派へ〜
(2回公演)
◆2019年1月25日(金) 14時開演(13時20分開場)
カンマーザールin立川

◆2019年2月4日(月) 18時30分開演(18時開場)
日比谷スタインウェイサロン東京 松尾ホール

〈出演〉
渡部智也(バス)
吉永哲道(ピアノ)

〈プログラム〉
A.ダルゴムィシスキー:
夜のそよ風、私は悲しい、九等官、ボレロ
A.ボロディン:
遠い祖国の岸辺を求めて
M.バラキレフ:
歌うな、美しい人よ、私の前で
M.ムソルグスキー:
神学生
M.グリンカ:
歌曲集「ペテルブルクの別れ」全12曲

*詳細は、追って掲載致します。

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posted by tetsumichi at 06:00| その他

2018年12月25日

18.モーツァルト

闇と沈黙。

これらの言葉は、モーツァルトの音楽に相応しいと言えるだろうか?


例えば、KV.475のファンタジーの冒頭部分を支配する、言い知れぬ不気味さ。ユニゾンによる、奇妙に歪められたハ短調の音階の響きに、私はまるでありとあらゆる感情が排除されたかの如く深い闇を感じるのだ。

いったい、どんなモーツァルトの心理状態がこのテーマを生み出したのだろう?


そして、休符。

モーツァルトの音楽において、休符は非常に重要な役割を担っている。

生き生きとした語り口の彼が、不意に口をつぐむ瞬間。

ハ短調のファンタジーの冒頭にもこの沈黙が現れるが、主題の重苦しい楽想故、その沈黙は一層の緊張を伴い聴き手の心に入り込んでくるようだ。


モーツァルトが、音楽史上稀に見る天賦の才を持つ人物であった事は、疑いの余地がない。

その作曲のペースを考えても(単純計算でも、オペラやシンフォニーと言った大曲も含めコンスタントに約2週間で1曲を書き上げていた事になるそうだ)、恐らく、とめどなく溢れ出てくる音楽を書き留める為にひたすら五線紙にペンを走らせる、そんな感覚だったのだろうと想像される。

しかし、物に光が当たれば必ず影ができるように、その天才性が輝けば輝くほど、同等の闇が生まれたのではないか。


流暢であるが故の、沈黙。

眩いばかりの才能の煌めき故の、闇。


それら両極の間で翻弄されながら生きる事が、音楽に愛され稀有なる才能を授けられたモーツァルトの宿命であったのかも知れない。

彼の音楽が持つあまりに純粋無垢な悲しみや、ふとした瞬間に現れる深い闇を感じる時、私はそんな事を思わずにいられないのだ。

posted by tetsumichi at 07:00| 作曲家