2021年10月19日

【終了御礼】小品の世界。

2021年10月11日、紀尾井町サロンホールでのソロリサイタル「ピアノは歌う 〜音楽の宝石箱から〜」を盛況の内に終える事ができました。ご来場いただきました皆さまに、この場で改めまして心より御礼を申し上げます。

数年前、ある恩師との会話の中で、小品を集めたリサイタルプログラムをご提案いただいた事が今回のリサイタルに繋がりました。実は……準備し始めた当初は「アンコールを沢山弾くようなもの」と考えていたのですが、バロックから現代まで、異なる時代の様々な作曲家の作品を一晩で弾く事は、それぞれの音色の作り方の違い等に次々と対応していかなければならず、30分の大曲の演奏とは全く異なる難しさがある事を、身をもって実感した次第です(笑)。一方お客様からは、有難い事に「聴いているほうはいろいろ聴けて嬉しい」とのご感想をいただきました。

いずれ第2弾、第3弾と、このようなプログラムも継続してお届けさせていただきたく思っております。


私は梅の香のような
詩がかきたい
春の日がおとずれてくるような
詩がかきたい。

私は理窟からのがれ出て
そして香気のある
あたたかい
詩がかきたい。

私は小さい
小さい画(え)がかきたい
それは宝玉のように美しく
かがやき出る画がかきたい。


この武者小路実篤の詩の一節のような……香気に満ちたピアノ小品の世界。
また皆さまと共有できます事を、願っております。

どうぞ明日が良い日でありますように。
𠮷永哲道



Из музыкальной шкатулки
ピアノは歌う 〜音楽の宝石箱から〜
𠮷永哲道 ピアノリサイタル

〈プログラム〉
A.ペルト:
アリーナのために
W.A.モーツァルト:
幻想曲ニ短調 K.397
F.メンデルスゾーン:
無言歌集より op.85-4
R.シューマン:
ロマンス op.28-2
F.リスト:
愛の夢第3番
R.シュトラウス:
“明日” op.27-4(M.レーガー編曲)
F.ショパン:
ノクターン第18番 op.62-2

J.S.バッハ:
最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ BWV992
E.グラナドス:
スペイン舞曲集より第5番 アンダルーサ(祈り)
S.ラフマニノフ:
“ここは素晴らしい” op.21-7(A.ヴェデルニコフ/𠮷永哲道編曲)
10のプレリュードop.23より 第4番 ニ長調
N.メトネル:
おとぎ話 ヘ短調 op.26-3
P.チャイコフスキー:
《四季》op.37bより 6月“バルカローレ”
瞑想曲 op.72-5

〈アンコール〉
F.シューベルト:
ワルツ ロ短調 D.145, op.18-6
F.ショパン:
ノクターン 嬰ハ短調 遺作
J.S.バッハ:
主よ、人の望みの喜びよ(M.ヘス編曲)


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posted by tetsumichi at 10:29| その他

2021年10月15日

37.はかなさ。

「はかない(儚い)」と言う感情を知る事が、私は、音楽をする上で非常に大切だと思っています。

響きを聴く、と言う行為を想像してみて下さい。消えゆく響きに耳を澄ます事は何かが自分から去って行くような感覚であり、まさに「はかなさ」の感情の体験に他なりません。それなのに……音を鳴らす、ピアノに関して言及するならば、打鍵に意識を支配されてしまっている人が何と多い事でしょうか!!

思い出されるのは、私が10代だった時、あるマスタークラスで故ロストロポーヴィチ先生がおっしゃられた言葉です ── 「きこえるかきこえないかの弱音で何かを聴き手に伝えられてこそ、本物の音楽家なのです。」

どうぞ弱音に、自身から去って行く響きに、じっくり耳を傾けてみて下さい。

知性で音楽を理解する事はできません。
深い感情で音楽に触れ得た時、音楽は初めて、私たちに沢山の事を教えてくれるのですから。

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posted by tetsumichi at 07:00| ロシアピアニズム

2021年10月07日

曲目変更のお知らせ。

10月11日「ピアノは歌う 〜音楽の宝石箱〜 吉永哲道ピアノリサイタル」の演奏曲目につきまして、演奏者の都合により、一部変更致します。

【変更となる曲目】

◆F.メンデルスゾーン:
無言歌集より “デュエット” op.38-6
◆I.アルベニス:
スペインの歌 op.232より “コルドバ”
◆N.メトネル:
おとぎ話 変ホ長調 op.26-1
◆S.ラフマニノフ:
“ここは素晴らしい” op.21-7(V.グリャズノフ編曲)

【変更後の曲目】

◆F.メンデルスゾーン:
無言歌集より op.85-4
◆E.グラナドス:
スペイン舞曲集より第5番 アンダルーサ(祈り)
◆N.メトネル:
おとぎ話 ヘ短調 op.26-3
◆S.ラフマニノフ:
“ここは素晴らしい” op.21-7(A.ヴェデルニコフ/𠮷永哲道編曲)

また、変更後のプログラムの曲順は、以下を予定しております。

[前半]
◆A.ペルト:
アリーナのために
◆W.A.モーツァルト:
幻想曲ニ短調 K.397
◆F.メンデルスゾーン:
無言歌集より op.85-4
◆R.シューマン:
ロマンス op.28-2
◆F.リスト:
愛の夢第3番
◆R.シュトラウス:
“明日” op.27-4(M.レーガー編曲)
◆F.ショパン:
ノクターン第18番 op.62-2

[後半]
◆J.S.バッハ:
最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ BWV992
◆E.グラナドス:
スペイン舞曲集より第5番 アンダルーサ(祈り)
◆S.ラフマニノフ:
“ここは素晴らしい” op.21-7(A.ヴェデルニコフ/𠮷永哲道編曲)
10のプレリュードop.23より 第4番 ニ長調
◆N.メトネル:
おとぎ話 ヘ短調 op.26-3
おとぎ話 変ロ短調 op.20-1
◆P.チャイコフスキー:
子守歌 op.16-1(P.パプスト編曲)
瞑想曲 op.72-5

ご承知おきのほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
𠮷永哲道

posted by tetsumichi at 07:00| 演奏会情報

2021年08月19日

【演奏会情報】ピアノは歌う 〜音楽の宝石箱から〜 吉永哲道ピアノリサイタル

チケットの取り扱いを開始致しました。

ピアノと言う楽器を、人の声の様に響かせる事。

それは並大抵の事ではありませんが、歌う様な響きで作品が奏でられる時、私たちはその響きの中に作曲家の想いや、魂を感じ取る事でしょう。
作曲家の人生を追体験する ─ 過去へ想いを馳せるひと時を、皆様と共有できれば嬉しく思います。
吉永哲道


Из музыкальной шкатулки 
ピアノは歌う 〜音楽の宝石箱から〜
吉永哲道 ピアノリサイタル


〈日時〉
2021年10月11日(月) 18:45開演(18:15開場) 
〈会場〉
紀尾井町サロンホール
〈出演〉
吉永哲道(ピアノ)

〈曲目〉
◆J.S.バッハ:
最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ BWV992
◆W.A.モーツァルト:
幻想曲ニ短調 K.397
◆F.メンデルスゾーン:
無言歌集より “デュエット“ op.38-6
◆R.シューマン:
ロマンス op.28-2
◆F.リスト:
愛の夢第3番
◆R.シュトラウス:
“明日” op.27-4(M.レーガー編曲)
◆A.ペルト:
アリーナのために
◆F.ショパン:
ノクターン第18番 op.62-2
◆I.アルベニス:
スペインの歌 op.232より “コルドバ”
◆P.チャイコフスキー:
子守歌 op.16-1(P.パプスト編曲)
瞑想曲 op.72-5
◆N.メトネル:
おとぎ話 変ホ長調op.26-1
おとぎ話 変ロ短調op.20-1
◆S.ラフマニノフ:
“ここは素晴らしい” op.21-7(V.グリャズノフ編曲)
10のプレリュードop.23より 第4番 ニ長調

*作曲家、曲目は変更になる場合があります


〈入場料〉
全席自由 3,500円(前売りのみ、当日券の販売はありません)
〈主催〉
音楽企画「マイスキーヴェーチェル」
〈後援〉
愛知ロシア音楽研究会、株式会社ヤマハミュージックジャパン、認定 NPO おんがくの共同作業場
〈チケットお問い合わせ〉
認定NPOおんがくの共同作業場
TEL:042-522-3943
http://www.gmaweb.net/npo/
音楽企画「マイスキーヴェーチェル」
メール:mv-pro@live.jp


〈チケットご購入のお客様へのお願い〉
・チケット代金のお支払いは口座振込のみとさせていただき(チケットご注文の際、折り返し振込先の口座をお知らせ致します)、当日券の販売は行いません。
・体調にご不安のある方のご来場はご遠慮下さい。
・入場時には体温チェックをさせていただきます。37.5度以上の方は入場をお断りさせていただきます。
・入場時の手指消毒、マスク着用なき入場はお断り致します。
・開演前、休憩時間の際は、極力会話を避ける様にお願いします。
・花束等のお届け物はお断り致します。

ご容赦並びにご理解の程、どうぞ宜しくお願い致します。


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posted by tetsumichi at 10:11| 演奏会情報

2021年07月28日

【演奏音源】2014年3月22日の演奏会より。(R.シューマンの作品)

【ポリフォニー音楽の神髄 Vol.2 〜知性と情緒の融合〜 吉永哲道ピアノリサイタル】より

R.シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6

吉永哲道(ピアノ)
Tetsumichi YOSHINAGA, piano

2014年3月22日、宗次ホールでの収録


《この間、オイゼビウスがそっと戸をあけてはいってきた。この男の蒼白い顔にうかぶ、皮肉な、いかにも好奇心をそそるような微笑は君も知っているはずだ。僕はフロレスタンといっしょにピアノの前にすわっていた。このフロレスタンというのは、君も知っている通り、およそ来るべきもの、新しいもの、異常なものなら何でもみな予感するという、まれに見る音楽的な男の一人だ。しかし、この日はさすがの彼もめんくらった。「諸君、帽子をとりたまえ、天才だ」といってオイゼビウスが楽譜を一つ見せた。標
題は見えなかったけれども、僕はなにげなくばらばらとめくってみた。(中略)
「さあ、やらないか」とフロレスタンがいうと、オイゼビウスが承知したので、僕らは出窓によりかかって耳をすませた。オイゼビウスはまるで霊感がのりうつったようにひいた。》

音楽評論家としてのシューマンは、自らの内にオイゼビウスとフロレスタンという異なる人格を作り、しばしば彼らに会話、議論をさせる形で作品論を執筆しました。

活発で情熱的なフロレスタン。
物静かで夢想家のオイゼビウス。

シューマンの作品を理解する上で大変重要な、対照をなすこれら二つの人格が音楽で顕著に表されたのが、このダヴィッド同盟舞曲集です(初版では各曲の最後に、シューマン自身がフロレスタンの頭文字であるF、オイゼビウスのそれであるEを書き記しています)。
彼らの生き生きとした振る舞いや語り口を想像しながら、お聴きいただければ嬉しく思います。

吉永哲道


*各曲ごとの頭出しの時間は、YouTubeの概要欄をご覧下さい。
(ピアニスト 吉永哲道 https://www.youtube.com/channel/UCtjXmRqPGkGV4LtWluj7ewg




posted by tetsumichi at 09:35| 演奏音源